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お題「恩師」~後藤彩乃

本日は衣裳パレード(全員衣裳を着て、バランスなどを確認する工程)でした。

ここまで稽古着でしたが、なんだか一気に戦中の雰囲気に(もんぺのキャラクターがいるせいですね)。

ネタバレになるので、写真は無しです。ご来場時にどうぞご確認ください。

さて、お題「恩師」、昨日に引き続き、演出の後藤彩乃さんです。

他の方はこちら。

Q.「恩師」にまつわるエピソード、もしくは連想するものを教えてください。

A.後藤彩乃

恩師…恩師……恩師? なかなか自分には思い当たるもんがないのですが…。

あんまりお題には添えないかもしれませんが、高校時代の思い出なんか語っ てみたいと思います。

あれは確か高校に入学して最初の選択授業の日でございました。 商業系の学科に通っていたので、美術や音楽などの授業は必修科目ではなく、いくつかの中から選択する形になっていました。

音楽系に疎い(楽譜も読めません)私は、迷うことなく美術を選択。

最初の授業は静物のデッサン。…のための静物をつくること。厚紙を使って正方形を作らされました。 そういうことは得意なほうでしたから、他の人より早く終わり…みんなよりも一足先に用紙を取りに行き、鉛筆を借り、がりがりとデッサンをはじめました。 美術の先生(以下なかじま先生)が回ってきたとき「後藤、お前はやいな」と、ひとこと。

デッサンは二日間で仕上げることになっており、次の授業で提出になります。 二回目の授業でもがりがりごしごしやって、授業終わりに提出に先生の所へ…すると、提出物を受け取ったなかじま先生に

「お前、美術部入らないか?」

んんん?…これはもしや噂に聞く勧誘とかいうやつか? まさか美術部に勧誘されるなんて想像もしなかった上、私は中学生の頃剣道部でまともに遊べなかったため、高校三年間は絶対帰宅部になると決めておりました。

帰宅してゲーム三昧の毎日…夢のような毎日!!!

「あ、私は帰宅部希望なので、ありがたいお話ですが…」

「入部希望、今月いっぱいまで時間あるから考えといて 」

えっ? 先生聞いてませんでしたね?全然聞いてませんでしたね、私の話。 あんまり自然にスルーされたもんだからうっかり返事もしないまま、授業終了のチャイムが鳴り響きました。

三回目の授業。 シルクスクリーンで多色刷りの版画に挑戦しよう! いや、授業内容は面白かったのですが、今回は授業内容は全く関係ありませんのでさておいて…。

授業が終わり、教室移動のため退室しようとしたときです…。

「あ、後藤」

「はい」

「入部届け、出しておいたから」

「は…え?」

「今日、放課後来て」

「え」

… 入部届けって勝手に出せるの?

とにかく来てと言われてしまいましたので、意外と真面目な後藤は放課後、美術室へと足を運びました。 するとそこには中学から一緒の二人が…。

かくして私の放課後ゲーム三昧、夢の高校生活はかなり早い段階で幕を閉じることとなりました。 そして、三人、三者三様の締め切りに追われる日々の幕が上がったわけでございます。

恩師とは思っておりませんが、なかじま先生のお陰で(何だかわからないまま)美術部員になり、県展に作品を出し、入賞に至りましたことをここに…感謝申し上げます。

入部させられた(根に持ってません)経緯は、その年に三人新入部員がいなかった場合、部活で はなく同好会扱いに格下げされ部費が減らされるため、それを回避するのが目的だったことを入部して半年たった頃に知らされました。 美術部として存続するため、致し方なかったことだったようです。

借りたままの画材を返しに行かずに申し訳ありません、なかじま先生。 実家から徒歩5分の場所にある高校ですが、出不精なものでごめんなさい。 お元気でしょうか…先生。 この公演が終わって、精神と身体に余裕ができたらご挨拶にうかがいたいと、思っておりますが、先のことはまだ、わかりません…。

……。

恩師?

あ、後藤さんも、「恩師とは思っておりませんが」と書いています。

なかなかパンチの効いた先生でいらっしゃいます、ね…。

さて、本番まであと1週間と迫って参りました。

ここでいったんお題をお休みして、ここまで稽古してきてどんな人なのか、お互いにお互いを紹介していきたいと思います。

それでは、また明日!

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